バルサアカデミー最大イベントである「バルサアカデミーワールドカップ(以下BAWC)」に、広島校として初めて出場しました。
BAWCとは、全世界のバルサアカデミーがバルセロナに集い世界No.1のバルサアカデミーを決める大会です。会場はFCバルセロナのトレーニング&育成施設Ciutat Esportiva Joan Gamper。
開会式もこの施設内にあるEstadi Johan Cruyffで盛大に行われました。
今回のBAWCは、10回目となる記念大会で開会式では、バルサアカデミー福岡が同じく10年目を迎えるということで表彰されました。
参加対象カテゴリーは女子カテゴリーを含めた全6カテゴリーでの大会構成。
[対象カテゴリー:U8,U10,U12,U14,U12ガールス,U14ガールズ]
広島校はU10とU12の2つのカテゴリーに参加しました。
以下、各担当コーチのコメントになります。
【U10担当ケンジコーチのコメント】
今回のU10チームは、バルサアカデミー広島校とバルサキャンプ香川、そしてバルサアカデミー横浜校の選手を加えたチームになりました。
ワールドカップ前に日本で行った事前トレーニングも全員が集まることが出来なかったので、バルセロナ現地でやっと全員が集まる形になりました。
U10カテゴリーは参加チーム数38チーム。予選グループは5チームで行われ、上位2位が決勝トーナメントに出場です。先ずは決勝トーナメント出場を目標に頑張ろう!と声かけたところ、「勝てるかなぁ」、「ビリにならければいいな」と、弱々しい言葉しか出てこない選手たちでした。
初めて海外選手とプレー、身体の大きさや威圧感を各選手が感じてたと思います。
ただ、初戦の試合が近づくにつれて、選手たちの目の色が変わっていき、ポジティブな掛け声が増えてきました。
予選リーグは2勝1敗1分で予選リーグを2位で決勝トーナメント出場。
決勝トーナメントは、一回戦敗退とその後は順位決定戦と大会最終日まで全員で試合に臨めました。
今大会を通してチームとしてバルサの大事にしている5つの価値観「リスペクト」「チームワーク」「野心」「努力」「謙虚」を選手全員で感じ、学んだ大会になったと思います。
試合に負ければ、泣いて、チーム内でケンカして泣いて、、、大会期間中、毎日誰かが泣いていました。コーチに叱られることもありましたが、それでもみんな仲間思いで試合になると試合に出場していない選手たちも大きな声で出場している選手たちに鼓舞して試合を重ねるごとにチームに一体感が生まれました。試合に勝利すればみんな喜び、負ければみんなで悔しがる。負ける度に泣いていましたが、それだけ一試合、一試合にかける思いと真剣勝負という場にチーム全員が身を置けたということだと思います。この経験を活かしてこれからもっと大きな舞台に飛び立ってほしいと思います。
予選リーグは2勝1敗1分の結果で予選リーグを2位で決勝トーナメント出場。
【U12担当ツバサコーチのコメント】
今回のスペイン遠征では、選手の〝人間面(精神面)〟の成長が特に多く見られました。
約2週間もの期間、言葉も通じない且つ親のいない環境に身を置くことで、一人一人がより〝自ら考えて行動する〟ことができるようになったと感じます。
また、集団行動する中で〝周りに気を配ること〟ができるようになり、そこで気が付いたことに対して〝伝えること〟もできるようになった選手も多くいました。
会場やホテルでも自分の知っている英語やスペイン語を繋げたり体や表情を使って自分の意思を伝えている場面が多く、コーチを頼る前に自分たちで解決をできる選手たちがたくさんいました。
僕の担当させてもらったU12チームに関しては、広島キャンプ選抜選手とバルサアカデミー広島アカデミー生の連合チームでの今大会への参加でした。
大会序盤は選手の個の能力で局面を解決している様子でした。
また自分のプレーが上手くいかない時は、その矛先(理由)を他の選手やチームに向けている場面が目立ちました。
自チームでは中心選手のような選手達が集まったチームでしたので、何もかもが〝いつも通りではない〟ことにとてももどかしさを感じていたと思います。
ピッチ外の様子にもチーム内のまとまりの無さが現れており、チーム内が常に3つ程のグループに分かれていました。
そこで、バルサアカデミー広島テクニカルディレクターKENコーチとの話し合いの上、目の前の結果よりも今後の選手の成長のため、1試合限定で〝慣れないポジションでのプレー〟をさせました。
その試合結果は2−3の逆転負けをしましたが、この負けから〝他のポジションやチームメイトがあって初めて自分がプレーできていること〟と〝上手くいかない物事に対しての矛先(理由)をまず自分に向けること〟を学んでもらいました。
素直な性格な上、サッカーに対して純粋な気持ちを元々持つ選手達が集まったU12チームはここからチーム全体の雰囲気がガラリと変わり始めました。
試合中の前向きな言葉が増え、ピッチ外でも関わる選手がその時々に応じて変わる様子がよく見られるようになりました。
遠征最後に実施された地元チーム主催のワンデイカップの最後の2試合(vsバルサアカデミー奈良、vsバルサアカデミー福岡)でチームとしての集大成がよく発揮されました。
チーム全員で前向きな声を掛け合い、コートを大きく使いながらチーム全員でボールを保持し、チームとして得点を奪うことができるようになり、最後の2試合ともに2−0で勝利をおさめることができました。
この最後の2試合の勝利はチーム内の雰囲気がそのままピッチで表現されたものだと強く感じます。
チームとしての活動は今遠征で終了となりますが、これから先もサッカーを続けていけば今回のチームメイト達に必ずどこかで出会うこととなるでしょう。
その時はライバルとしてかもしれませんしチームメイトとしてかもしれません。
相手よりも成長した姿で再会できるようにこれからも常に上手くいかない時の原因をまず自分に向けることのできる人間でいてほしいです。
キャンプ選抜選手に関しては、今後もバルサキャンプなどの機会にて再開できることを楽しみにしています!
卒業生に関しては、これらも自分の軸を持ち続けて頑張ってください!
アカデミー生に関しては、今回経験して学んだことを活かして目の前のシーズンを全力で取り組んでいきましょう!
最後になりますが、今遠征参加にあたり、選手の人生の中でもとても大きな挑戦への後押しとたくさんの支えをしてくださった保護者の皆様、誠にありがとうございました。
今回の遠征が選手全員のこれからの人生に役立つことを願っています。
選手みんなのこれからの成長がとても楽しみです。
ありがとうございました!
【KENコーチのコメント】
今回のBARÇA ACADEMY WORLD CUP 2023 へご参加いただき誠にありがとうございました。
今大会への参加は、バルサアカデミー広島としてもFC BARCELONAとしてもとても意味の大きなものとなりました。
記念すべき第10回目の歴史ある世界大会にバルサアカデミー広島として初出場ができたことを誇りに思います。
今回、広島チームとしては、U10とU12のカテゴリーが出場することができました。
また、今年はバルサキャンプで選考された選手とアカデミー生による連合チームだったこともすごく新鮮でした。
連合チームであることもあり、事前トレーニングを3回実施した上でバルセロナへ向かうこととなりましたが、よりお互いを理解した状態で遠征を迎えることができたおかげで移動もとてもいい雰囲気で行うことができていました。
大会では技術と身体能力の高い相手に苦戦する場面も多くありました。
自分の住んでいる地域をでて世界を知ることで、世界に対して自分の通用する部分とまだ足りない部分への理解にもつながったはずです。
また、長期間親元を離れての生活を送ることでバルサの大切にしている人間面の成長にもたくさん出会うことができました。
今回の海外への挑戦が、サッカーでの自分の立ち位置を知り、親への感謝を再確認し、母国や他国の素晴らしさを知るものさしになったはずです。
このかけがえのない経験をこれからの人生に役立ててほしいです。
今回の遠征にあたり、大切な選手を我々に預け、たくさんのサポートしてくださった保護者の皆様、本当にありがとうございました。
これからも選手の皆様がサッカー選手としても1人の人間としてもより成長できるようサポートしていきます。
VISCA EL BARÇA,VISCA HIROSHIMA.